札幌市議会 > 2016-12-13 >
平成28年第 4回定例会−12月13日-04号
平成28年大都市税財政制度・人口減少対策調査特別委員会−12月13日-記録

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  1. 札幌市議会 2016-12-13
    平成28年大都市税財政制度・人口減少対策調査特別委員会−12月13日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成28年大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会−12月13日-記録平成28年大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会  札幌市議会大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会記録            平成28年12月13日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後2時52分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  ただいまから、大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  さっぽろ未来創生プラン取組状況等についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎浦田 まちづくり政策局長  昨年度、この調査特別委員会でもご意見を賜り、ことし1月に策定したさっぽろ未来創生プランにつきましては、結婚や出産を望む市民の希望がかなえられる社会の実現と地域に定着できる環境づくりを目指し、全庁を挙げて施策の推進に当たっているところでございます。  本日は、平成27年度におけるプランの取り組み状況や昨年実施された国勢調査の結果、さらに、私どもで実施した札幌市の出生率に関する意識調査、分析の結果概要についてご報告させていただきます。  内容につきましては、中田政策企画部長よりご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ◎中田 政策企画部長  私から、さっぽろ未来創生プランの平成27年度の実施状況及びプランに関連する調査結果などについて、お手元の資料に基づいてご説明させていただきます。  本日は、報告資料を3点ご用意しております。  1点目は、さっぽろ未来創生プランの平成27年度の実施状況で、A3判横の3枚物の資料でございます。参考資料として、KPI(重要業績評価指標)一覧と主要事業の取組結果をつけております。2点目は、平成27年国勢調査人口等基本集計結果の概要で、A4判縦の綴り、3点目は、札幌市の出生率に係る意識調査・分析結果概要で、A3判横の3枚物の資料でございます。  それではまず、報告資料1をごらんください。  昨年度、この調査特別委員会でもプランについてご意見をいただき、ことし1月に策定が完了したところでございます。このプランでは、今後5年間の目指す目標値として、全体に係る数値目標取り組みを評価するKPIを掲げており、効果検証のため、先月29日にさっぽろ未来創生プラン推進有識者会議を開催し、11名の有識者からご意見を伺ったところでございます。  3番の平成27年度の実施状況をごらんください。  このプランでは、安定した雇用を生み出すことと、結婚・出産・子育てを支える環境づくりといった二つの基本目標を掲げ、さまざまな施策に取り組むとともに、特に関連性のある施策群を未来創生アクションとして取りまとめています。今回は、この未来創生アクションに沿って平成27年度の取り組みを説明させていただきます。
     なお、施策の実施に当たっては、国の支援策である交付金を積極的に活用しており、対応する取り組みには、それぞれ、加速化や推進といった文字を記載しております。  次に、4番の数値目標でございます。  合計特殊出生率と20歳代の道外への転出超過数の二つを設けております。合計特殊出生率につきましては、資料作成時には数値が公表されておりませんでしたが、今月5日に厚生労働省都道府県と政令市の数値を公表しております。平成27年の札幌市の合計特殊出生率は1.18となっており、前年よりも数値が上昇しております。  20代の道外への転出超過数につきましては、首都圏がその大半を占めており、東京都の新規求人数が増加すると転出超過数も増加する傾向が見られることから、平成27年は転出超過数が増加する結果となっております。  次に、資料の右側をごらんください。  総合戦略の実績について、順にご説明させていただきます。  まず、未来創生アクション1 グローバル展開についてであります。  平成27年度は、アジア諸国を中心とした各種観光プロモーション観光ホームページインドネシア語対応などを実施したところであり、28年度は、MICE施設整備に向け、整備エリア施設規模などを検討しています。  資料の一番下の主なKPIをごらんください。  関連するKPIである食料品製造業製造品出荷額国際会議開催件数につきましては、いずれも指標の数値が上昇しております。  次に、1枚おめくりいただきまして、未来創生アクション2 まちの魅力アップについてであります。  平成27年度は、さっぽろ雪まつりのつどーむ会場やさっぽろオータムフェスト開催期間を1週間延長したところであり、28年度は、来年2月に2017冬季アジア札幌大会を開催いたします。関連するKPIの札幌市内での総観光消費額年間来客数については、いずれも指標の数値が上昇し、特に、総観光消費額の大幅な上昇は、1人当たりの消費額の高い外国人観光客数が前年比で約35%増加したことが寄与したところであります。  右側に移りまして、未来創生アクション3 若者の希望実現についてであります。  平成27年度は、市内IT産業海外展開の支援、コールセンター本社機能等企業誘致に係る補助を実施したところであり、28年度は、ことし4月、東京都大手町に札幌UIターン就職センターを開設いたしました。関連するKPIの20代の首都圏からの転入者数につきましては、入学や就職のためと考えられる二十歳から24歳までの転入者数が増加したことにより、指標の数値が上昇しております。  一方、市内新規学卒者道内就職割合につきましては、先ほどご説明した東京都の新規求人数の増加などにより、指標の数値が下降しております。  1枚おめくりいただきまして、未来創生アクション4 安心子育てについてであります。  平成27年度は、私立認可保育所小規模保育事業の整備などにより、1,246人分の保育定員を増加したところであり、28年度は、ことし8月に都心部の常設子育てサロンのおおどりんこを開設いたしました。関連するKPIの保育所待機児童数につきましては、指標の数値が改善したものの、子どもを生み育てやすい環境だと思う市民の割合については、指標の数値が下降しております。  最後に、未来創生アクション5 人材の育成についてであります。  平成27年度は、市立小・中・高等学校への外国語指導助手を配置したところであり、28年度は、ことし10月に保育士の就職支援などを行う札幌市保育士・保育所支援センターを開設いたしました。関連するKPIの難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦している子どもの割合や、将来の夢や目標を持っている子どもの割合につきましては、いずれも指標の数値が上昇しております。  報告資料1のさっぽろ未来創生プラン、平成27年度の実施状況につきましては、以上でございます。  参考資料1として、先ほどご説明したKPIを含むプランに掲げた31のKPIを記載した一覧、参考資料2として、主要事業の取組結果を添付しております。  続きまして、報告資料2の平成27年国勢調査人口等基本集計結果の概要について説明させていただきます。  まず、1ページ目の札幌市の人口をごらんください。  平成27年国勢調査結果によりますと、札幌市の人口は195万2,356人となりました。人口増加数を見ますと、平成22年と比べて約3万9,000人の増加となっております。  人口増加数の推移を見ますと、札幌市は戦後一貫して人口増加が続いておりますが、その増加規模縮小傾向が続いており、戦後2番目に小さくなっております。また、北海道の人口に占める札幌市の人口の割合である対全道シェアは36.3%となっており、戦後一貫して上昇が続いております。  次に、2ページ目をごらんください。  2ページ目は、男女別人口でございます。  女性100人に対する男性の数である性比を見ますと、平成27年は87.4となっており、これは過去最低でございます。  次に、年齢別人口でございます。  右側の第2図の年齢別割合の推移をごらんください。  平成27年の人口の年齢別割合を見ますと、65歳以上人口の割合は24.9%で、札幌市民の4人に1人が高齢者となっております。  次に、3ページ上段の第3図の年齢人口ピラミッドをごらんください。  右側の平成27年の人口ピラミッドは、二つのベビーブーム世代を山としたひょうたん型に近い形となっております。30年前の昭和60年と比べて見ますと、少子高齢化の影響により、下のほうに位置する低年齢層の人口が少なく、上のほうに位置する高年齢層の人口が多くなっております。  次に、おめくりいただきまして、4ページ及び5ページの配偶関係でございます。  第4図の年齢、男女別未婚率の推移をごらんください。  男性の25歳から29歳では70%以上、女性は65%以上が未婚となっております。男性の30歳から34歳では約50%、女性は40%以上が未婚となっております。また、30年前の昭和60年と比べると、25歳から29歳、30歳から34歳の年齢層につきましては、ほかの年齢区分よりも未婚率が大きく上昇しており、平成22年からは横ばいとなっております。  報告資料2の平成27年国勢調査人口等基本集計結果の概要につきましては、以上でございます。  最後に、報告資料3の札幌市の出生率に係る意識調査・分析結果概要についてご説明いたします。  まず、アンケート調査の概要をごらんください。  調査の目的ですが、プランでは、札幌市の合計特殊出生率が全国的に見て低位にある要因は、高い未婚率と夫婦間の出産数の少なさと捉えたところであります。これを踏まえて、20代、30代の若い世代が結婚や子どもを持つことに対してどのような意識を持っているかについて、5,000人を対象とする郵送アンケートを実施し、1,194件、回収率にして23.9%の回答をいただきました。また、アンケート回答者のうち、50人にグループヒアリングを行いました。  次に、右側の郵送アンケート調査結果をごらんください。  まず、1婚姻状況ですが、左の棒グラフのとおり、アンケート回答者の男女別の婚姻率は、男性は5割を超え、女性は6割を超えておりました。一方、一つ右の棒グラフのとおり、アンケート回答者のうち、男性の正規雇用者の婚姻率は約7割であったのに対して、非正規雇用者は3割未満にとどまるなど、男性は雇用形態によって大きな差が生じております。  続いて、下の2結婚観でございます。  未婚者のうち、結婚したほうが良いと回答した人の割合は、左の棒グラフのとおり、全国と比べて男女ともに低く、右の棒グラフのとおり、男性は雇用形態によって大きな差が生じております。  1枚おめくりいただきまして、3現在結婚していない理由でございます。  未婚者が結婚していない理由は、全国とほぼ同じ傾向で、適当な相手にめぐり合わないが最も高い割合となっております。  次に、右側に転じていただき、7結婚相手にめぐり合う可能性ですが、結婚相手にめぐり合えると思う人の割合は男女ともに全国よりも低く、男性は雇用形態によって大きな差が生じております。  次に、下に移っていただいて、9結婚相手の紹介を頼める人では、最も高い割合が特にいないとなっており、全国を大幅に上回っております。また、友人が逆に全国を大幅に下回っております。  1枚おめくりいただき、3枚目の11希望の子ども人数でございます。  全国と比較して、3人以上の子どもが欲しいと答えた人の割合が低く、欲しくないあるいは1人の割合が高くなっております。  次に、12子どもが欲しくない理由は、全国とほぼ同様の傾向ですが、札幌市では経済的に難しいの割合が最も高くなっております。  13の女性の理想の生き方では、子育て後に再び仕事を持つ、結婚し子どもを持つが仕事も一生続けるの割合が高く、子育てと仕事の両立を望んでいることがうかがわれます。  右側のアンケート調査及びグループヒアリングからうかがえる札幌の若者の考え方のところをごらんください。  ここまで説明させていただいたアンケート調査の結果とグループヒアリングの調査結果をまとめたものでございます。  結婚に対する意識については、札幌の若者は全国よりも結婚したほうがよいと考えている割合が低くなっております。その背景には、適当な相手にめぐり合わないことや生活資金の不足、雇用の不安定といった要因がうかがえます。また、自由さや気楽さを失いたくない、趣味や娯楽を楽しみたい、結婚の必要性を感じないといった1人の生活を楽しみたいという考え方も見受けられます。さらに、結婚相手の紹介を頼める人がいない、もしくは、そのような友人が少ないことから、結婚を仲介する人が少ないことや、出会いのために特に何もしないといった回答から、結婚へ向けた積極性が薄いこともうかがえます。  中段中ほどの希望の子ども数につきましては、札幌の若者は全国よりも希望の子ども数が少なく、その要因として、子育てに係る経済的な負担を心配していることがうかがえます。  下の段の女性の理想の生き方につきましては、子育てと仕事の両立を望んでいる人が多いことがうかがえます。  以上が、このたび実施した出生率に係る意識調査の結果概要でございます。  なお、詳細な結果報告につきましては、年明け1月ごろに札幌市のホームページで公表を予定しております。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村松叶啓 委員  私から、このたび数値目標として掲げられた20歳代の道外への転出超過数が明らかになりましたので、現状と関連する取り組みについて、順次、質問いたします。  昨年度の調査特別委員会でも、私から、札幌市の将来を考える上での重要な課題として、若年層の道外への転出超過について質疑をさせていただき、その改善に向けて着実に取り組むことを要望させていただいたところでございます。  今回説明があった国勢調査によりますと、全国的に人口減少が社会問題となる中、札幌市の人口はいまだ減少には転じておらず、195万人を超えたものの、戦後2番目に少ない増加数とのことでありました。平成12年以降、減少傾向が続いている北海道にあって、北海道に占める札幌市の人口の割合は、1.5ポイント増加して36%を超えたところであり、より一層、札幌市の役割は重要となっております。  札幌市は、教育機関や企業が集積しており、道内から若年層の流入が多いことから、人口のダム機能を果たすことは、北海道全体にとっても非常に重要であります。しかしながら、数値目標として掲げられた20歳代の道外への転出超過数については1割程度増加しており、その要因として、転出超過の大半を首都圏が占め、東京都の新規求人数が増加すると転出超過数も増加する傾向が見られる旨の説明がただいまあったところでございます。  雇用情勢は、平成20年のリーマンショック以降、全国的に改善が続いており、景気の動向によっては、さらに首都圏の求人がふえていくことも考えられます。  そこで、20歳代の若者が首都圏の雇用情勢に左右されることなく、地域に定着できることが喫緊の課題と考えますが、現状についての認識をお伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  20歳代の東京圏への転出超過数は、平成20年の4,238人をピークとして、リーマンショックを機に、平成23年には1,683人まで縮小しております。しかし、その後、景気回復に伴って拡大傾向にあり、平成27年は2,514人となっております。ピーク時に比べると転出超過数は縮小しているものの、自然減による少子高齢化傾向を見据えると、若者の地元定着には危機感を持った対応が必要であると認識しております。  東京圏への転出超過数を抑制していくには、地域の強みを生かしながら、産業基盤をより強化し、若者が希望する職種や地域で働くことができる雇用の量の側面と、雇用形態や賃金、やりがいといった雇用の質の側面、その両面から安定した雇用を生み出していくことが重要であると考えております。そのためには、行政はもとより、経済界や金融機関、大学などと課題認識を共有しながら、地域が一体となって取り組むことが必要であると考えております。 ◆村松叶啓 委員  地域の産業を活性化させ、若者が就職する受け皿として安定した雇用を生み出すことは大変重要であると考えます。  雇用の創出という意味では、KPIであります医療・福祉産業クリエーティブ産業従事者数は堅調に伸びており、一定の成果は見られております。その一方で、道内就職を希望する学生が多いものの、全国的な担い手不足からも、首都圏大手企業などは、給与などの採用後の待遇面に加え、インターンシップや会社説明会に係る費用の負担といった採用前の手厚い支援など、人材採用に力を入れており、結果として道外へ就職している現状にあります。そのような中、希望しても残ることができない若者を少しでも減らすことに加え、将来のUターンにもつながるよう、地域に魅力を感じる若者をふやしていくことは、今後の札幌市を考える上で不可欠なことと認識しております。  そこで、二つ目の質問ですが、学生の希望をかなえ、定着率を高めていくために、早い段階から地元企業に関心を持ってもらう取り組みに一層力を入れるべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  学生が首都圏の企業を就職先とする背景としては、市内企業の情報が学生に十分に届いていないことや、企業の採用ノウハウが不足していることが要因にあるというふうに考えました。そういったことから、企業と学生のそれぞれに向けた支援が必要であると考えております。  そのため、企業に対しては、就職支援サイトへの掲載を支援するほか、セミナーの開催やコンサルタントなどの派遣による採用力強化に取り組んでいるところであります。また、学生に対しては、新たに、大学や金融機関などと連携して、企業商談会への参加や職場見学バスツアーを行うなど、学生と企業の接点づくりに取り組んでおり、地元定着連携協定を結んでおります北海道科学大学札幌市立大学の延べ164名の学生の参加を得たところでございます。  実施後のアンケートでは、学生からは、地元企業への興味が高まった、あるいは就職先の視野が広がったといった声をいただいたほか、企業からも、若手社員が学生に自社の強みを説明することで人材育成にもつながったとの意見をいただいており、一定の手応えを感じているところであります。  このように、プランを踏まえて、今年度から企業と学生の双方への支援を強化しており、取り組みの成果を関係者で共有しながら、連携する大学や企業などの裾野を広げ、地元定着の希望をかなえる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆村松叶啓 委員  学生が地元に定着していくためには、企業や学生の実情を把握しながら、それぞれのニーズに合わせて継続して働きかけていくことが大切だと思います。  若者の地元定着を含む地方創生取り組みを推進し、その取り組みの効果をさらに高めていくためにも、国の支援制度を積極的に活用していく必要があります。国では、地方創生本格展開と位置づけ、さまざまな支援制度を設けており、特に、地方創生加速化交付金地方創生推進交付金では、官民協働地域間連携といった要素を備え、産業構造や歴史、特産品など、地域固有の資源や強みを生かした取り組みを全国各地から募っているところでございます。  そこで、最後に、この支援制度を有効に活用し、札幌の地域特性を生かした取り組みを強化していく必要があると考えますが、どのように活用していくのかお伺いして、私の質問を終わります。 ◎中田 政策企画部長  地方創生に関連する交付金につきましては、国のまち・ひと・しごと創生本部と直接意見交換し、事業の申請につなげてきたところであります。  まず、地方創生加速化交付金につきましては、北海道や近隣市町村と連携し、若年層の転出超過を抑制する取り組みや女性の活躍を推進する取り組みが採択されたところであります。  具体的には、東京に新設したUIターン就職支援窓口を活用し、首都圏の学生などと市内企業を結びつけるほか、女性や企業それぞれのセミナーを通じ、女性の就労継続、再就職や、企業における女性が活躍しやすい環境づくりへの支援に取り組んでおります。  また、地方創生推進交付金につきましては、札幌市の強みである食や観光に関する取り組みなどが採択されたところであります。具体的には、北海道や金融機関等と連携し、それぞれの海外拠点を活用した食分野におけるアジアマーケットの開拓や東京での国際会議開催に合わせて、アフターコンベンションとして札幌市の観光モデルコースを紹介するなど、東京都と連携したMICE誘致に取り組んでおります。さらに、このたびの第4回定例市議会において議決いただいた地下空間におけるICT活用実証実験事業への追加交付の見通しも立っております。  今後とも、国の動向を捉えながら、地方創生支援制度を積極的に活用してまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  私からも、さっぽろ未来創生プラン取り組み状況について、アンケート調査の結果を中心に、3点ほど伺います。  本プラン策定に当たっては、各種アンケート調査を実施し、本市の合計特殊出生率が低位にある背景として、経済的理由が大きな割合を占めていることが明らかになりましたが、プランでは、この調査結果から二つの基本目標を定め、それに対する数値目標の一つとして合計特殊出生率を掲げ、平成31年までに1.36に引き上げることとしました。  先ほど中田政策企画部長から説明がありましたとおり、先週、平成27年の全国、都道府県及び政令指定都市合計特殊出生率厚生労働省から公表され、本市の合計特殊出生率は、0.02ポイント上昇したものの、1.18にとどまり、全国的に低位にあると言われている東京都にも0.06ポイント抜かれ、全国の大都市、政令市の中で一番低い出生率となっています。合計特殊出生率を上昇させることは容易ではないと認識しているものの、数値目標の達成に向けては憂慮すべき状況であると考えます。出生率の上昇に向けて、まずはプランに掲げた取り組みをより着実に進めていくことが第一ですが、あわせて、結婚や出産などに関する市民意識を把握しながら、強化すべき取り組みを見出していくことが必要です。  今回の報告にあったアンケート調査は、プラン策定時の調査よりもさらに一歩踏み込んで、本市の合計特殊出生率が低位にある背景を調査しており、この結果は、今後、取り組みの方向性を検討していくための基礎資料として非常に重要なものです。  そこで、質問ですが、今回行ったアンケート調査について、どのような趣旨で調査を行ったのか、改めて伺います。 ◎中田 政策企画部長  数値目標として設定しております合計特殊出生率を1.36にまで上昇させるには、プランに掲げた施策を効果的に推進する必要があることから、今回、年齢別出生率の高い20代、30代の若年層に絞って、合計特殊出生率が低水準にあることの要因をさらに分析するための調査を行ったものであります。  この調査の実施に当たりましては、結果を全国の数値と比較して分析できるよう、平成26年度に内閣府が実施した結婚・家族形成に関する意識調査を下敷きとして、結婚や子どもを持つことについてどのような意識を持っているかといった質問項目を設定したところであります。さらに、国の調査方法に準じて、別途、グループヒアリングを行って、若年層の生の声を聞きながら、その意識を詳細に捉えたところであります。 ◆かんの太一 委員  ただいまのご答弁の中で、グループヒアリング等も行って、20代、30代の若年層の意識を詳細に捉えて、数値目標の達成に向けて施策の効果を高めようとしておられる本市の姿勢は、我が会派としても評価するところです。  合計特殊出生率が低位にある理由は、複雑かつ多岐にわたるものであり、今回の調査だけで全てが解決するというものではないですが、今後に向けては、全国との比較を初めとする各種分析を通じて、本市の出生率が全国的に低位にとどまり続けている要因を明らかにしていく必要があるものと考えます。  そこで、質問ですが、今回行った調査において、札幌市民に特徴的な結果としてどのようなものがあったのか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  今回の調査で特徴的な結果が見られた質問項目が幾つかございます。  一つは、恋人がいない人が出会いのために行いたいことという質問では、特に何もしないが、全国では31%であるのに対して札幌市では44%であり、全国よりも10ポイント以上高くなっております。また、結婚相手の紹介を頼める人という質問項目では、全国、札幌市ともに友人と答えた割合が最も高いところでしたが、全国が77.8%であるのに対して札幌市では57.9%であり、20ポイント程度低くなっております。また、この質問項目で、特にいないと答えた方は、全国で13.8%であるのに対して札幌市では33.9%であり、全国よりも20ポイント程度高くなっておりました。  先ほど資料3でご報告した質問項目以外でも、例えば、結婚を意識する出来事や理想とする結婚後の女性の働き方といった質問項目で違いが見られました。具体的に申しますと、男性未婚者が結婚を意識する出来事としては、周りの友人、知人が次々と結婚、出産をすることが、全国では53%と半数以上を占めているのに対して、札幌市では20%以上下回った29.7%となっておりました。また、理想とする結婚後の女性の働き方という質問では、フルタイムで働くことを希望すると答えた女性の割合が全国よりも下回っておりました。こうした点が今回の調査で明らかになったところでございます。 ◆かんの太一 委員  ただいまのご答弁の中でさまざまな特徴が挙げられたわけですが、自分の身に置きかえても、環境をしっかりと整備していくことも大切だと感じたところであります。  全国と比較して札幌の若者の特徴が浮かび上がってきたところですが、今後、本市が分析を進めるに当たっては、道内の合計特殊出生率が高い地域についてもあわせて分析していくことが本市にとっても意義のあるものと考えます。  平成26年に設置された北海道と札幌市による人口減少問題対策協議会では、検討テーマの一つとして出生率に関する要因分析が挙げられていたところであり、今回のアンケート調査の結果は、まさにこの協議会で分析を進めていくべきものであると考えます。  そこで、質問ですが、今後、この調査結果に関して北海道とどのような連携をしていくお考えか、伺います。
    ◎中田 政策企画部長  委員がご指摘のとおり、今回のアンケート調査を北海道と連携して調査分析することは、大変意義があるものと考えております。そのため、北海道とは、人口減少問題対策協議会を通じて、調査内容の検討の段階から連携をとっているところであり、北海道におきましては、合計特殊出生率の低い自治体、合計特殊出生率が高い自治体、そして一定程度の人口規模がある自治体のそれぞれの住民を対象に私どもと同様の調査を実施しているところであります。  今後は、双方の調査結果についての情報共有を進めながら、さらなる分析を進めてまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  最後に、要望ですが、本市の合計特殊出生率上昇に向けて、今の答弁の中にもありましたけれども、引き続き北海道と連携しながら、多面的なアプローチから低位にある要因分析を進めていただきたいと思います。  平成31年までに合計特殊出生率を1.36に引き上げ、プランの数値目標を達成することは、簡単なことではないと推察しますが、プランに掲げた数値目標と実際の数値に大きな開きがあると、次の世代に大きな影響を及ぼす可能性があります。今後数十年は少子高齢化が進行していきますが、その次の世代が担う本市の将来が活力あふれるものになるためには、これまでにも増して本プランの強力な推進が必要であると考えます。  全庁的な連携を深め、施策の着実な実行に取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、KPIの20歳から29歳の首都圏からの転入者数が増加した件、それから婚活事業の2点についてお伺いいたします。  私は、9月の第3回定例会で、大変緊張しながら、初めて代表質問をさせていただきましたが、その際に、地方創生における若者支援施策として、仕事や婚活といった若者の支援に札幌市としてさらに力を入れて取り組んでいくべきと訴えさせていただきました。それに対して、吉岡副市長から、仕事や婚活などの若者の支援に着実に取り組んでいくといった旨の力強い答弁がございました。私も、これまで一貫して婚活などの若者支援を札幌市を挙げてやっていきましょうと逆風に負けずに訴えてきましたので、大変心強く感じ、より一層、その思いを強くしたところでございます。  最初に、20歳代の首都圏からの転入者数の増加について伺います。  先ほどの説明にもあったとおり、転入者数は3,427人から3,539人に増加しておりまして、20歳代のうち、二十歳から24歳までの入学や就職のためと考えられる転入者数が増加したという分析でした。そのことに関連した調査を、一昨年、内閣官房が行っておりまして、東京に住む10代、20代の若い方が東京から離れて移住するとしたら、何が不安で、何が懸念かといった問いがございます。それに対して、男女ともに、働き口が見つからないことと公共交通の利便性の2点が上位になっておりました。  そこで、最初の質問ですが、まず、若者の首都圏からの転入者を増加させるために、働き口の確保に関して、これまでどのような観点で取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  働き口の確保につきましては、産業基盤を強化し、雇用を生み出していくことが重要であると考えております。その上で、首都圏の学生などに地元企業が知られていないことが課題であると認識しておりまして、市内の企業の魅力を知っていただいた上で、首都圏から札幌市へのUIターン就職を希望する方と市内企業を結びつけることが必要であると考えております。  このため、本年4月に、東京都内に市内企業の求人情報等の提供や、キャリアコーディネーターによる就職相談を行う札幌UIターン就職センターを開設いたしました。さらに、IT産業における首都圏からの人材還流を目指して、来年1月には、ITエンジニアやクリエーターを対象に、札幌に拠点を構える25社の転職相談ブースを設けるUIJターン合同フェアを都内で開催する予定でございます。 ◆前川隆史 委員  首都圏からの転入増加に向けての積極的な事業の取り組みであると思います。大手町のUIターン就職センターについては特に期待しておりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、先ほど触れたとおり、首都圏の若者の移住する上でのもう一つの不安、懸念点として公共交通の利便性が挙げられておりました。これは、雇用に加えて、交通の利便性等を初めとする暮らしやすさが必要条件となっていることを意味しているのではないかと思います。一方、先日公表された日経BP総合研究所が実施したシティブランド・ランキング、住んでみたい自治体編では、札幌市が圧倒的な支持を得て、堂々、全国1位でございました。札幌市を選んだ理由としては、自然環境が豊かなこと、また、新鮮な食材に恵まれていることなどが上位を占めておりました。この調査は、東京23区、大阪、名古屋、札幌、福岡市の都市住民が持つ将来住んでみたいというイメージをブランド力として捉えてランキング化したものであります。  ちなみに、2位は京都、3位は横浜、4位は鎌倉となっておりました。  ただ、このランキング1位という栄誉がそのまま札幌への移住につながるかというと、いつか世界一周旅行に行ってみたいといった夢みたいな話で終わってしまうことになりかねないのではないかと思います。実際の移住につなげていくために、札幌市で住むことで得られる、ほかではない豊かな生活、言うなれば札幌スタイルとも言うべき暮らしや生き方を積極的に発信していくことが重要だと思います。  日本ハム球団が絶対に入団しないと言い切っていた大谷翔平選手の心を動かしたように、首都圏の皆さんが示した住んでみたいという気持ちを、住んでみようかな、そして、住もうと心を決めさせていく戦略が必要かと思います。  そこで、質問ですが、札幌の高いブランド力に憧れて札幌への移住を考えている人に向けて、実際の移住につなげるように札幌での暮らしやすさをどのように発信していくのか、お伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  委員がご指摘のとおり、札幌への移住を促進するためには、首都圏と比べて住居費が低廉なことや、通勤・通学の時間が短く、交通機関の混雑率が低いこと、あるいは、冬期間は、積雪があるものの、地下鉄等の公共交通機関が発達していることなど、安心かつ快適に暮らしていける環境があることを周知していくことが重要であると考えております。このため、北海道移住促進協議会に加入して、ホームページやガイドブックによる交流移住情報の発信や首都圏等でのプロモーション活動に取り組んできているところであります。  また、札幌広域圏組合におきましては、今年度、札幌圏の魅力を紹介する移住ガイドブックを作成したほか、来年1月には、都内で、移住者から札幌圏の魅力を語っていただく座談会や、市町村ごとの仕事や住まいの相談ブースを設けるさっぽろ圏移住フェアを開催する予定となっております。  これらの取り組みに加えて、札幌市への移住者の意見を聞き取った上で、札幌市の特徴やほかの地方都市と比較した優位性などを効果的に発信することができるプロモーション映像について、現在、研究を進めているところであります。 ◆前川隆史 委員  今、お話があったプロモーション活動、プロモーション映像、それから、実際に移住された方の思いや感動を伝えていく座談会などはすばらしい取り組みだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ちなみに、私は、首都圏でテレビCMやJRや私鉄などに、札幌に住もうみたいに大胆に直球勝負の広告を打ってもいいのではないかと個人的に思っております。  いずれにしても、新たな移住希望者の快適な生活につながる取り組みを知恵を絞って行っていただきたいと思います。  次に、婚活支援についてお伺いいたします。  これまでも、プランの策定段階から、再三、婚活支援について訴えてまいりまして、結果的に、未来創生アクション3の若者の希望実現の中に、結婚の希望をかなえる支援が位置づけられました。また、今年度は、南区、札幌広域圏組合で婚活イベントが実施されて、若い皆さんやその親御さんたちからのぜひやってほしいという声や思いを受けてきた私としては、一つ形にできたのかなと喜んでいるところでございます。  このうち、南区の婚活イベントには、私も、1期生の有志による非公式な婚活議連のメンバーで、迷惑にならないよう、ひっそりと見学に行ってまいりました。正直、お年を召している方が多いのかなと勝手に想像していましたが、若い方が大変多くて、非常に驚いたというのが実感で、率直な印象です。  私が行ったのは、会場が藻岩山のふもとのすばらしいレストランでしたが、私がよく知る青年お2人も参加されておりまして、結果は存じておりませんが、陰ながらエールを送らせていただきました。  この南区の婚活事業は、定員を大きく上回る申し込みで、当日は女性55名、男性53名の計108名が参加して、セカンドチャンスを含めて合計で37組のカップルが成立したということで、大成功であったのではないかと喜んでおります。  そこで、質問です。  南区のほかに広域圏組合でも婚活事業を行ったということですが、成果はどうだったのか、お伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  札幌広域圏組合における婚活支援事業につきましては、20代から40代の圏域に在住する男女及び首都圏在住の女性を対象に、婚活の心構えやライフデザインを学ぶセミナーと、男女が出会う場としての婚活パーティーを開催したところであります。  セミナーは、10月8日に市内中心部で開催し、圏域内8市町村から、男性25名、女性36名の参加があったところであります。  婚活パーティーは、10月23日に市内中心部のレストランで開催し、首都圏在住の女性1名を含む圏域内の7市町村から、男性34名、女性35名の計69名の参加があり、9組のカップルが成立したところであります。  また、セミナー及びパーティー参加者のうち、希望された4名に対して、今後の婚活や交際する上での悩みの解消を目的としたアフターフォローセミナーを開催したところであります。 ◆前川隆史 委員  南区で37組のカップルが誕生し、広域圏組合では9組のカップルが誕生したということで、若者の願いに応えられたのではないかと思います。  先ほどの報告にありました意識調査では、現在、結婚していない理由との問いに対して、適当な相手にめぐり合わないが札幌市、全国ともに最も高く、圧倒的に高い割合となっております。一方で、結婚相手の紹介を頼める人は誰ですかという問いには、先ほどのご説明にもありましたとおり、札幌では特にいないが全国よりも大幅に上回っております。また、逆に友人や職場の上司との回答は全国より大幅に下回っております。札幌の若者にとっては、面倒を見てくれる人が非常に少ないという寂しい実態が明らかになったのではないかと思います。  こうした実態を目の当たりにしますと、行政が若者に寄り添って婚活事業等を推進するというのは、時代の要請とも言えるのではないかと思いますし、今回の調査結果を踏まえますと、札幌市こそ婚活事業にどこよりも積極的に取り組むべきなのではないかという印象も持ちました。  そこで、最後の質問ですが、南区や広域圏組合で実施した婚活事業の結果を受けて、今後、婚活事業にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎中田 政策企画部長  今年度の婚活事業につきましては、一定数の男女のカップルが成立したことに加えて、南区の事業では、参加された方に南区の地域資源のPRができたこと、広域圏組合の事業では、共通の課題を抱えた圏域内において、婚活事業のノウハウの共有が図られたことなど、一定の成果があったものと認識しております。  今後、それぞれの事業の成果を踏まえた上で、札幌市としての婚活支援の取り組みのあり方について検討していきたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  最後に、要望です。  報告がございました意識調査では、恋人がいない人が出会いのために行いたいことでは、特に何もしないと回答した割合が非常に高かったということです。一方で、地方自治体などの婚活支援事業を利用するという割合は低くなっているわけです。一見すると、婚活事業などをする必要はないと思うかもしれませんが、これは、札幌の若者の結婚に対する諦めの気持ちのようなものがあらわれているのではないかと思っております。札幌市が婚活事業に積極的に取り組んでいる姿勢、私たちも若者を応援していくという雰囲気を出していくことで、そういった気持ちもまた新たにできるのではないかと思います。  今後、南区のみならず、札幌市を挙げて婚活事業の実施に向けて前向きに検討していただくことをお願いして、質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、5点質問いたします。  札幌でも、いよいよ切実な人口減少に対して、札幌市の目指す将来の実現に向け、市民・企業・行政などが一丸となって人口減少の緩和に努めるとともに、都市の活力と生活の質を高めながら、このまちを次世代に良好な形で引き継がなければならない、そして、さっぽろ未来創生プランを策定し、方向性を具現化するとしています。  早速、質問の第一ですが、いただきました報告資料1の3に、分野横断的な視点で関連する施策を意識し、効果的に取り組むとありますけれども、このプランをつくるに当たり、また、その実現に向けて関係部局としっかり連携していくという意味なのか、そういう捉え方でいいのか、お聞かせください。 ◎中田 政策企画部長  まず、プランの策定に当たりましては、庁内横断的に検討するための本部会議を設けて検討してきたところであります。また、実際にプランをつくった後、この取り組みをするに当たっても、連携を図りながら取り組みを進めているところであります。特に、未来創生アクションとして五つのテーマを設定しておりますが、この五つのテーマに関係する部局が課題認識を共有しながら、連携して推進していくとしているところであります。  少し具体的に申し上げますと、若年層の転出超過数を縮小させるために、企業の人材確保を担う経済観光局と大学との連携を担うまちづくり政策局の2局において、局横断的に連携しながら、企業と大学生の接点づくりといった取り組みを進めたところであります。また、全市的な観点からも、限られた経営資源を効率的・効果的に活用するために、昨年策定いたしました中期実施計画と同時期に策定することにより、財源の確保も図ったところであります。  今後に向けても、プランの効果検証を一つの機会として捉えながら、事業の構築、実施などの各段階で情報共有を図って、より成果が上がるように努めていきたいという認識でございます。 ◆太田秀子 委員  全市にかかわるとても大切な取り組みですから、連携がすごく大事だと私も思っていました。  先ほどから出ております同じ資料の4番の20歳から29歳の道外への転出超過数は少しふえましたが、首都圏の求人が多いと転出がふえるとのことでした。一方、道内から札幌への転入も少しあるのだと聞いていました。  昨年、この委員会で説明を受けた本市の資料によりますと、北海道は、この10年間で、経済活動を支える生産年齢人口が既に30万人も減っており、同時に道内の総生産が減少していました。北海道の人口が減ることで、札幌市の卸売業の年間商品販売額が減るという経済への影響も示されていました。  しかし、今まで道内から札幌に来る人はいましたけれども、また状況が変わったと思うのです。JRの鉄路がなくなっていくという状況で、今後、札幌に来ないで真っ直ぐ首都圏に行ってしまうのではないかということも十分に考えられると心配しています。地方から人と物が入っていて札幌は何とかなっていましたけれども、地方はもう既に衰退しています。それぞれで頑張るというだけではとても解決できませんから、北海道全体でどう真剣に話し合うか、それが急がれると思っています。  秋元市長は、ことしの1定の本会議の議案説明の中で、地方創生加速化交付金を活用して、若年層の転出超過を抑えるための取り組みを行うと言いました。それが先ほどの質疑の中で出てきたセミナーやインターンシップ支援などの交付金の内容になるのだと思います。若年層の転出超過を抑えるための取り組みですから、やはり、若者の実態に手を差し伸べる、もっとストレートに支援できるものにすべきだと思います。例えば、所得の低い若者に家賃を補助するとか、直接、若者たちがよかったなと思うものにお金を使うべきだと思います。  続いて、二つ目の質問ですが、この資料の3枚目、KPIのところで、子どもを生み育てやすい環境だと思う市民の割合が減っています。これは、どのように分析しているのか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  子どもを生み育てやすい環境だと思う市民の割合につきましては、平成27年度は55.9%であり、26年度の59.8%と比べますと3.9ポイント低下しております。この内訳を見てみますと、特に20代の方々が余りそう思わないと回答している割合が上昇したことが今回の結果の要因の一つと考えております。  そういったことから、私どもとしても、厳しい財政状況の中ではありますけれども、実際に子育てをする世代の中心となる20代、30代をターゲットとして、安心して子どもを産み育てる環境や子どもが健やかに育つ環境を、より一層、総合的に整備していく必要があるというふうに考えております。 ◆太田秀子 委員  おっしゃるとおり、この計画の中心となる20代ですが、当事者の方たちが子育ての環境が整っていないと思っているということで、驚きました。それは、20代に限らず、市民アンケートでもあらわれていると思います。2015年に行った本市のアンケート調査で、市民は、人口減少に対応するための取り組みとして、トップは正規雇用化の推進、次いで若い世代の就職支援、そして結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援、保育所の整備などの子育て支援の充実、医療・介護提供体制の整備、このように続いていくのです。  このアンケートといただいた資料にある若者へのアンケートは、望んでいることはどちらも同じです。ですから、ここに個別に具体的に取り組むことこそ、札幌市独自に手を打つことも含めて求められていると思うのです。残念ながら、自分たちにはどういうことをやってくれるのかがわかりづらいと思っているという声も聞いています。アンケートの声に具体的に応えることをしないと、やはり市民にもわかりづらく、効果は出てこないのではないかと感じています。  報告資料3の3ページに、札幌市の若者は子育てと仕事の両立を望んでいるとあります。子育てが一段落したらまた働きたいと思っている女性が多いということです。札幌市の産業振興ビジョンの報告書で、企業や事業所に5年前と比べて女性社員の数はふえたのかと質問しています。増加したのはおよそ21%の企業でした。宿泊サービスや飲食業者は減少しているのです。子育てで離職した女性の採用状況は24.1%で、まだ4分の1にも達していません。採用する予定がない企業は44.1%です。これは、中小企業や小規模企業になるほど採用していない、採用する予定がない率がふえています。  そこで、三つ目の質問ですが、働きたい女性がいるというもとで、企業との間にギャップがありますけれども、本市はこれを改善するための施策を持っておられるのかどうか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  今、委員からお話がありました産業振興ビジョン策定に当たっての基礎調査の結果について、私から少しだけご説明させていただきます。  委員からもお話があったように、子育てなどで離職した女性の採用状況といった質問では、既に採用しているという会社が24.1%、採用を予定しているという会社が4.6%、それに採用に興味があると答えた企業の27.2%を加えますと、半数以上の企業が離職した女性の採用に前向きであると捉えております。  また、5年前と比較した女性社員数の変化の質問におきましても、委員からお話があった増加したは20.9%でありましたが、減少したという企業が10.6%でしたので、全体としては増加していると思っております。しかしながら、企業規模別に見ますと、大企業に比べて小規模企業が低くなっており、働く女性の支援はもとより、そうした企業に対するきめ細やかな支援が必要であると認識しております。そのため、女性社員が離職せず、活躍し続けられるよう、企業向けに職場環境づくりセミナーを開催するほか、講師派遣による出前講座に取り組んでいるところであります。また、ワーク・ライフ・バランス認証企業に対して、初めての育児休業取得や男性の育児休暇取得、それに加えて、今年度からは、育休代替要員の雇用に助成することとしております。  こういったさまざまな取り組みを通じて、女性が働きやすい環境づくりを進めていきたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  離職せずに働き続けられるということは、保育のところが充実しなければいけませんし、そういう広い視野で、一つ目に質問したとおり、さまざまな部局とも連携していただきたいと思います。  産業振興ビジョンの報告書で、子育てで離職した女性を多く採用している業種があります。それは、医療・福祉分野です。経済センサスや本市の事業所・企業統計調査などでも、市内総生産を生み出す事業所の売上高の1位は卸売りや小売業ですけれども、2位は建設業で、3位が医療・福祉分野で、8,900億円を生み出しています。これは、観光などの宿泊・飲食業の2倍になります。従業者数では、卸売り・小売業に次ぐ2位でおよそ13万人になっています。医療、福祉は、卸売り、建設と肩を並べて本市経済を担っています。しかし、ご存じのとおり、賃金が低く、慢性的に職員が不足しているということがあります。では、ここで賃金を上げるのに何が必要なのかと具体的な手を打って、この分野で安定した雇用をつくるということは、女性の働く場が失われていく悪循環から抜け出す力になると考えております。  報告資料3の14番ですが、欲しい人数の子どもを持つためには、世帯収入は623万3,000円必要だと考えていると答えています。欲しい子どもの数というのは、左上の表にありますとおり、2人か3人だと思います。これ以上の子どもが欲しくないという理由は、1番が経済的に難しい、次に将来の教育費が心配、育児にかかる費用が心配と続いています。  そこで、質問いたします。  ここの表に書いてありますけれども、夫婦の年収の平均が実際には498万5,000円で、これで子育てしていますが、国は、保育料に年収360万円の所得制限をつけました。夫婦で所得360万円を超えると、保育料の軽減が受けられなくなりました。平均所得を見てわかるように、所得制限がついた世帯は少なくありません。多子世帯への支援を加えたと言いますが、保育料は、第2子目は半分、3子目は無料ですけれども、どうやって2子とカウントするかといいますと、学校に上がる前の兄弟を1と数えて2人目、3人目としますから、とても限定されます。人口減少問題を解決しようとしているときに、このアンケートの声を踏まえますと、所得制限や年齢制限をやめるべきだと思いますけれども、お考えを伺います。 ◎中田 政策企画部長  今、委員からお話がありましたのは、保育料の算定上の順にかかわる所得制限のことだと思いますが、その所得制限の撤廃につきましては、制度の基礎的な部分であり、自治体間に差が出ないよう、国の責任において対応すべきものと認識しております。  そういった意味から、今後とも、引き続き、さまざまな機会を通じて、国に対して必要な要望を行っていきたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  もちろん、国にも求めていかなければいけませんが、少子化に向けて、先ほどお話ししましたけれども、国に先駆けて、北海道ぐるみで、まずは自治体でできないのかということもあわせて話し合っていただきたいと思います。  安心子育てというテーマがありますが、経済的負担の軽減というところに、子どもの医療費助成の拡大が小学校1年生、2018年、平成30年と書いてあります。このプランも、まずは2015年から19年までの5年です。この中で、未来に向けてどうやって計画をよりよくしていくかというときに、小学校1年生の分だけの子どもの医療費の助成が2018年でいいのだろうかと私たちは思っています。これを前倒しして実現していき、若い人たちに希望を持ってもらうことが大事ではないのでしょうか。  次の質問ですが、安定した雇用を生み出す基本目標の実現についてです。  先ほどの質疑で少し気になったことがありました。雇用の量と質の二つの安定のために大学などとも協力しているという答弁がありました。働く場が多くあることはもちろん大事ですが、アンケートなどで、お金が大変で結婚できないんだ、子どもを産めないんだという声がたくさんあります。当然、経験を積んで、1年で雇用を切られるでは困りますから、経験を積んで仕事を覚えていく、正社員で働きながら、暮らせるようにお給料をもらっていくということを望んでいるわけです。このプランをつくるにあたって、正社員でやりがいを持って長く働きたいということが大事だと思うのです。しかし、このプランでは、今後、正社員がどうやってふえていくのかがわかりません。正社員をどれぐらいのテンポで何人ふやしていくのか、企業ともちゃんと話し合わなければいけません。そういう目標を持つべきだと考えますがいかがか。  そして、目標を持って、到達しなければ、このプランのどこが足りないのか、検証していくことが安定した雇用を生み出すという基本目標を実現させるためには必ず必要なのだと思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  雇用情勢が回復している中にあっても、正社員を希望しながら非正規で働くことを余儀なくされている労働者は存在していると考えておりますので、その方々に対する支援は不可欠だと認識しております。そういった意味で、正社員を希望する若年層に対する就職支援を進めているところであります。  しかしながら、正規雇用数を目標値として設定することにつきましては、例えば、就業構造基本調査などの公的な調査における正社員割合は、短時間勤務など多様な働き方を希望する女性や高齢者の有業率など、さまざまな要因により左右されるものであり、取り組みの成果を図る指標にはなじまないものと考えております。  私どもといたしましては、さまざまな施策を通じて足腰の強い経済基盤を確立することが安定した雇用につながると考えておりますので、このプランで設定しておりますそれぞれのKPIで進捗を図ってまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  非正規で働いている方たちの支援も不可欠なのだということでした。短時間勤務を希望して働いている方もおりますが、3時間しか雇用してくれないというところもあって、ダブルワーク、トリプルワークしている人もいますから、好まないで短時間で働いている人もいるわけです。ですから、若者だけではなくて、札幌市全体でとったアンケートの中でも、正規雇用化の推進や若者の就職支援を求めているというのは、ご自分や、もしかしたら、その人の子どもや孫が短い時間でしか働けないとか、不安定な雇用しかない、そういう苦労をしているから、ここを改善してほしいと求めている結果だと思うのです。  正規雇用をふやすためには、非正規職員を正規職員にするとか、サービス残業をなくすことで雇用がふえたというデータもありますので、目標を持って取り組むことはやはり大事だと思っています。あわせて、本市でも、臨時職員や非常勤職員が年々ふえていますので、本市が率先して正規職員をふやして、市民のために働く公務員をもっともっとふやしていいと思うのです。それらも求めて、私からの質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からも、質問させていただきます。  昨年開催された本特別委員会におきまして、私は、さっぽろ未来創生プランの策定に当たって、プランの根底に、女性の自己決定権の尊重や、あらゆる場面での男女平等意識の醸成と環境づくりを据えることを求めてきました。そのような考え方が基本的に根づかなければ、安心して子どもを産み育てられる社会の実現は難しいと考えるからです。  札幌市が2016年6月に、20代、30代を対象に行った札幌市の出生率に係る意識調査の説明を先ほどいただきましたが、女性の生き方については、結婚あるいは出産の機会に一旦退職し、子育て後に再び仕事を持つと答えた女性は50%を超え、しかも、これは、全国数値と比較しても高い結果になっています。また、結婚し、子どもを持つが、仕事も一生続けると答えた約27%の方と合わせて、80%の女性が結婚後も仕事を続けたいと思っていることが明らかになっています。  しかし、総務省統計局の就業構造基本調査によりますと、この数値は2012年10月1日現在のものではありますが、札幌の女性の年齢別有業率は、全国数値と比較すると、25歳から29歳での有業率が低く、さらに、30歳から34歳で大きくへこむ、いわゆるM字カーブの状況が顕著にあらわれています。  こうしたことから、札幌の女性は、理想の生き方として、子育て後に仕事を持つ、あるいは、結婚し、子どもを持つが、仕事も続けるという子育てと仕事の両立を望んでいる方が多数であるけれども、KPIに掲げた子どもを生み育てやすい環境だと思う市民の割合が2014年度から2015年度にかけて約4%下がったように、結婚や出産後も働き続けることが困難になっているということが明らかになったのだというふうに考えます。  そこで、質問ですが、札幌の女性が持っている希望の実現に向けて、さっぽろ未来創生プランにおいて子育ての希望をかなえる札幌と掲げつつも、まだまだ途上と考えますけれども、どのようなご認識か、伺います。 ◎中田 政策企画部長  未来創生プランにおきましては、基本目標の達成に向けて、安心して働ける環境づくりや子育てしながら働ける環境の整備などを施策に位置づけているところであります。しかしながら、本市の雇用等の分野では、固定的性別役割分担意識などさまざまな要因により、結婚や出産などを契機に女性が離職することや、離職後の再就職等が容易ではない環境もいまだにあるものと認識しております。一方で、女性活躍の推進は、多様で柔軟な視点からの発想や意思決定を通じ、企業の持続的な競争力や価値の向上に資するものであり、産業活性化の観点からも必要であると考えられます。  そのため、若者の希望が実現できる札幌を目指して、女性が出産や子育てなどにより退職を余儀なくされることのないような環境整備を進める継続就業の支援に加えて、女性がみずから望む生き方を実現するために、さまざまなライフスタイルやライフステージに合った多様な働き方に対応するための支援などを一層進めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  固定的性別役割観念がまだまだ強いという中で、これからも女性の継続就業に向けての支援を行っていきたいという答弁があったと思います。そういういろいろな状況がありますが、子育てをしていくに当たっては、パートナーの協力や理解が欠かすことはできないと強く思います。しかし、職場の実際の環境としては、男性が育児休暇をとりづらい状況もあると聞いております。  札幌市においては、札幌市子育て・女性職員応援第3次プランがあり、男性職員の育児休業取得率の数値目標をその都度掲げ、今は13%としております。この結果をお聞きしたところ、2015年度では9.3%と前年度よりも増加しておりますが、目標の13%にはまだ至っていないのが現状です。こうしたプランを掲げている足元である市役所内での目標の実現に向けて、今後も積極的に取り組むのは当然のことと思いますが、未来創生プランにおいては、子育て家庭を社会全体で支援するため、ワーク・ライフ・バランスを推進し、男性も女性も主体的に家事、育児等に参画するなど、あらゆる場での男女共同参画の推進等により、子育て家庭が安心して働き続けられる環境を整えるとうたっています。  この趣旨における取り組みを進めることで、固定的性別役割観念にとらわれない男女平等意識の醸成に向けても、未来創生プランが果たす役割は大きいのではないかというふうに考えるところです。プランが目指しているこのようなことを実現するため、札幌市職員のみならず、プランについて広く市民の共感と協力を得ることが重要だというふうに考えます。  そこで、伺いますが、さっぽろ未来創生プラン取り組みについて、ワーク・ライフ・バランスの推進を初め、子どもを産み育てやすい環境づくりに向け、市民の共感や理解を深めるために今後どのように取り組まれるのか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  子どもを産み育てやすい環境の実現に向けては、ワーク・ライフ・バランスを初め、女性活躍推進の重要性について、市民や企業に対して理解を促進していくことが必要であると考えております。  ワーク・ライフ・バランスの観点では、若者向けにライフプランセミナーを開催するとともに、ワーク・ライフ・バランスの理解を深める企業への個別訪問を実施しております。しかしながら、基本目標の実現に向けては、このプランに対する市民理解の一層の促進が必要であると考えており、また、先日開催した有識者会議においても、プランの周知の必要性について委員からご指摘を受けたところであります。  そのため、今年度は、市民や企業の皆さんに理解を深めていただけるよう、例えば、ことし実施したアンケート調査グループヒアリングのときにプランの取り組みについての説明を行うなど、さまざまな機会を捉えて周知を行ってきたところであります。  今後も、こうした取り組みを引き続き推進していくとともに、効果的な施策の展開について検討してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望ですが、まずは市民の皆さんに知っていただくことが重要だと思いますので、理解促進に向けて、今、おっしゃっていただいた取り組みをしっかり進めていただきたいと思います。
     ワーク・ライフ・バランスを推進し、男女共同参画社会を実現することは、子育て家庭を支援するのみならず、女性の自己決定権の尊重及びあらゆる場面での男女平等意識の醸成にもつながる重要なことだというふうに思います。  世界各国の男女平等の度合いを指数化したジェンダーギャップ指数というのがあります。2016年度の数字が10月に発表されておりましたが、日本は、残念なことに、144カ国中111位となっておりまして、2015年の145カ国中101位から10位も大きく後退して、世界の流れからおくれをとっているのが浮き彫りになっています。最初の局長の説明の中に、全庁を挙げて施策に取り組んでいるというご説明がありました。  子育てと仕事の両立を望んでいる女性の理想の生き方、願いに対して、単なる支援ではなく、女性も男性もともに男女平等社会の実現を目指すことを今後もしっかり掲げて取り組むことを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  私からは、雇用の質を高めるための生産性向上の有効な手段としての規制改革について伺います。  結婚や出産を望む市民の希望がかなえられる社会、そして、若者が地域に定着できる環境を実現するためには、相応の賃金や魅力的な仕事といった雇用の質を高めていくことが不可欠であります。加えて、先ほどから移住の話もありました。私は、移住を支援するNPOにも参画しておりますが、移住希望者の相談にもよく乗っております。移住希望者の最も多い懸念は、賃金や仕事の中身であります。この点は、昨年のプラン策定時から一貫して申し上げていることであり、本プランにおいても、基本目標の中で明記されております。  先ほどご説明いただきました本市出生率に係る意識調査においても、子どもが欲しくない理由として経済的な理由が上位を占めており、全国と比較しても高くなっております。相応の賃金水準を確保する、若者にとって魅力的な仕事をふやすためには、1人当たりの稼ぎをふやす、生産性を向上させることが不可欠であります。1人当たりの生産量がふえない限り、企業が賃金を上げることは不可能であり、新分野にチャレンジすることも困難であります。加えて、現在、多くの分野で人手不足が深刻化しており、生産性を向上させない限り、需要に対応するだけの供給が困難になってきている企業も多くなっております。これらの課題解決のためには、地域に人材や資金を呼び込めるような生産性の高い新たな企業や産業を支援すること、既存企業の生産性を向上させることが大切です。  この点に関して、昨年7月の本委員会で札幌市の見解を伺いました。その際、中田部長より、今後、経済界と連携を図っていろいろな取り組みを考えていく中で、どのようなことができるか、一緒に検討していきたい旨のご答弁がありました。  そこでまず、伺います。  相応の賃金や魅力的な仕事といった雇用の質を高めていく点で、生産性の向上に向けてこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、伺います。 ◎中田 政策企画部長  雇用の質を確保するための生産性の向上に向けては、さまざまな産業の高度化や高付加価値化を促進する必要があると認識しております。そのため、6次産業化の推進及びものづくり産業における企業間連携の促進を図るためのコーディネーターの配置や経営の効率化、製品、サービスの高付加価値化に向けたIT利活用の促進を支援する取り組み等を進めてきております。  また、本市のほか、国や北海道、経済団体や労働組合から構成される北海道働き方改革・雇用環境改善推進会議におきまして、良質で安定的な雇用機会の創出等を目指す共同宣言を昨年12月に採択して、魅力ある雇用の場づくりや、産業振興と雇用対策の一体的な取り組みを進めてきたところであります。  今後も、これらの取り組みを通じて、札幌市産業の生産性向上を支援するなど、引き続き雇用の質の向上につなげていきたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、これまで取り組まれたこと、例えば、コーディネーターの派遣やITの利活用による高付加価値化、道と経済界と一体になった改善推進会議のお話もいただきました。生産性を向上させるためには、今おっしゃっていただいたような企業の取り組みを促すとともに、意欲的、創造的な個人や企業がより活動しやすい環境を整えることが必要であります。そのことは、本プランにおいても、施策の方向性として明記されております。  ビジネスしやすい環境づくりのためには、規制改革が有効な手段となります。このことは昨年の本委員会でも指摘させていただき、札幌の産業の柱に据えている観光、医療、福祉、ITなどの分野でも規制改革のニーズが数多くあることなどを提案させていただきました。そんな中、本年6月に閣議決定された日本再興戦略2016においても、戦略の柱として、生産性革命を実現する規制制度改革を強力に推進するとされており、生産性向上を実現するためには、規制改革や制度改革が不可欠であることが明確に位置づけられております。  本市未来創生プランにおきましては、未来創生アクションの中で、「さっぽろ」がチャレンジを創出するフィールドとなり、多様な主体が活躍できる都市として、広く認知されることを目指しますと明記されております。この点についても、昨年11月の本委員会において、このようなチャレンジを創出するフィールドになるということがかけ声倒れに終わらないためにも、具体的にどのようなアクションを起こしていくのかを伺いました。その際、中田部長より、特区制度の活用による規制緩和も検討していかなければならない、早急に検討して札幌の活性化につながる仕組みを検討していきたいとのご答弁がありました。  そこで、伺います。  昨年の委員会から1年以上たちました。特区制度の活用による規制改革について、これまでの検討状況を伺います。 ◎中田 政策企画部長  現在、ICTの積極的な利活用による課題解決や、地域の活性化等を実現することを目指した札幌市ICT活用戦略の策定を進めておりまして、その中では、先進的、分野横断的な取り組みによりイノベーションを創出し、新たな価値を創造していくプロジェクトを重点的に推進することとしております。  これまでの具体的な取り組みとしては、札幌のICT産業の集積と北海道内の大学における先進的研究成果の蓄積を融合し、先端技術を活用した新たなビジネスを創出していくことを目指して、札幌市、大学、金融機関、IT業界団体や企業が参画する札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアムを本年8月に立ち上げたところでございます。  さらに、このたびの第4回定例市議会において補正予算として議決いただいたとおり、国の地方創生推進交付金を活用して、チ・カ・ホなどの都心部地下空間を中心としたICT活用環境の整備を行うこととしております。  また、規制緩和や特区を通じた取り組みにつきましては、産業の活性化の観点からは、産業振興ビジョンの重点分野を軸にしながら、今後も先進的な取り組みを進め、対象分野や提案方法などを引き続き検討していきたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、答弁の最後のほうで、特区や規制緩和に関しては、産業振興ビジョンの重点分野を軸としながら、引き続き検討を進めていきたいというお話がありました。この特区や規制改革に関しては、私は昨年9月の委員会のときから申し上げております。  そこからずっと検討ということで1年以上がたってしまったわけですが、国家戦略特区に関しては、現状、3次指定まで10の区域が指定されており、我が国の経済活動の6割を占める区域が特区となっております。その中で、政令市においては、既に14都市が特区区域に含まれております。これらの都市においては、ビジネス展開や市民生活の向上を図る上で、札幌市ではできないことができる環境にあるということであります。その対象は、観光や医療、介護、保育、都市再生や創業など、さまざまな分野に及んでおります。  昨年の本委員会でも申し上げましたが、多くの都市の意識やスピード感は変化してきております。規制改革や特区というのは容易な案件ではありませんので、調整を担当される方々はご苦労も多いかと推察しますが、スピード感は大変重要です。現制度に守られている人たちだけではなく、意欲やアイデアのある新しく参入する人たちもビジネスしやすい、公平で公正な環境をつくっていくことは、行政の責務でもあります。時代に合わなくなった規制や制度によって競争環境をゆがめるべきではなく、そのことは、市民の経済活動や生活者の足を引っ張ることにもなります。  特区制度の活用による規制改革について、現時点で実現に至っていないということは、実現に向けて何らかの課題やハードルが存在するということであります。その課題を解決しない限り、引き続き検討しても結果が同じだと思われます。  そこで、今後について伺います。  これまでの検討を踏まえた実現に向けての課題認識について伺います。  あわせて、その課題を解決していくために今後どのように取り組んでいくのか、この点を最後に伺って、私の質問を終わります。 ◎中田 政策企画部長  ただいま委員からお話がありましたように、規制緩和や特区を通じた取り組みにつきましては、産業の活性化はもとより、市民生活の充実などの面からも意義があるものと考えております。一方で、取り組みを進めていく上では、必要に応じて北海道や関係自治体、民間事業者などとの連携を図りながら、国としての意義を認められる構想を描くことに加え、その実現に向けて関係者間での合意を形成していくことが課題となっております。  札幌市としては、先ほどお答えしたとおり、新たな活力を生み出すフィールドの醸成に向けた取り組みを進めつつ、規制緩和や特区を通じた取り組みについては、今申し上げた課題を踏まえた上で検討していきたいというふうに考えております。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、本日の委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後4時25分...